あなたの投資法はブラックスワンに耐えられるか?

株式投資の世界にはアナリストと呼ばれる人がいます。経済評論家と言う肩書きだったりしますね。彼らの分析力や情報収集の能力は確かに凡人より優れているのかも知れません。

しかし、彼らの未来予測力は凡人と全く同じ程度なのです。以前、私も有名な先生にお会いし、株価の予測を聞きました。来年は株価が上昇する年なので、株をやるには持って来いだと言ってましたが、蓋を空けてみれば株価はダダ下がり、箸にも棒にもかかりませんでした。

他にも投資雑誌や新聞のコラム、果ては有名な予言者の予言まで、全てを記録して彼らの言葉がどれほど未来を正確に予測しているのかを検証したのですが、結果は散々な結果でした。

これだったらコインを投げて裏表で意思決定をしても一緒じゃないか。そんなレベルの話だったのです。

多くの人は将来の株価を予測しようとします。しかし、どんなに情報収集しても、どんなに分析を行っても、株価の動きを完全に予測する事は難しい事です。よく考えてみればわかる事なのですが、株価が上がるときは、「売りたい人よりも買いたい人が多い」から株価は上がるわけです。

そして、株価が下がる時は、「買いたい人よりも売りたい人が多い」から株価は下がるわけです。と、言う事はですよ?株価が大きく下がる時って、売りたい人が多いから下がるわけですよね?じゃあ市場に参加している人の多くは「売りたい」と考えていると言う事でしょうか?

もし、そうなのであれば、なぜ株価が急激に下がった時に多くの人が驚くのでしょうか?買いの欲求よりも、売りの欲求が大きいから株価が下がるはず、なのに、実際にはかなり多数の人が買いたいとも売りたいとも思ってないわけです。

つまり、株価と言うのは市場に参加する「ごく少数」の人によって動かされていると言うのが実際のところなのです。(数名と言う意味ではなく、市場全体から見れば一部の人達と言う意味ね)

「ごく少数」の人の意思決定によって株価が動くからこそ、株価が大きく動くとみんなが騒ぐわけですね。「ほぼ全数」の人の思惑通りに株価が動くのであれば、株価の動きはほぼ全て「想定内」と言うことであり、誰も騒ぎません。

私は株式市場で11年間1度も損をせずに投資を続ける事ができました。なぜ、そんな事が可能だったかと言うと、目先の株価の予想だけにとらわれず、「株価がどんな動きをしても構わない」策を持っていたからなんです。

将来の事を予測しようとしている間は、一時的に儲ける事はできても、ブラックスワン(滅多に起きないが、起きるととてつもなく大きな影響がある事)が来た時にそれまでの儲けを全て失ってしまう事は珍しい話ではありません。

予測ではなく戦略。これが株式投資で勝ち続ける秘訣なのです。

三菱自動車の燃費データ不正で株価ストップ安に過去10年最安値記録の大暴落

ちょっとショッキングなニュースがありましたね。三菱自動車が燃費データの改竄を行なっていて大問題になっています。ドラマにもなった池井戸潤さんの「下町ロケット」を観た方、読んだ方はわかると思いますが、技術者がデータの改竄をするという事はあってはならない事です。

そのあってはならない事があったわけですから、当然株価は大暴落。投資家は過去10年の中でも最安値を更新するという大損害を被ったわけですね。

ちなみに全くの余談ですが、学生時代に大嫌いだった私の同級生が三菱に入社したのを風の噂で聞いてたんですが、自ら手を下さずとも神は見ていらっしゃるものですね。

ただ、大きな企業ですから当然私と仲の良かった同級生も三菱や関連企業に就職した人がいるので、手放しで「ざまぁwww」などと下品に笑う気にはなれませんが。

で、今回の肝心な話はこれからなのですが、2000年と2004年に三菱自動車はリコール隠しで大問題になっていたわけで、はっきり言って「お父さん、お母さん、子供たち家族皆の命を乗せる機械」である自動車で問題を隠してるようでは企業の信用なんてものはゼロなわけですよ。

例えば2000年にリコール隠しが発覚して、その時に全部の膿を出しきったんなら良いのですが、その舌の根も乾かぬ2004年に再びリコール隠しが発覚するような会社ですよ?

私から言わせればそのような企業に問題発覚後も投資し続けた投資家の考え方がよくわかりません。今度こそ、今度こそは信じる…というような気持ちだったかも知れませんが、自動車メーカーは三菱だけじゃありませんし、どうして三菱自動車の株に投資しようと思ったんでしょうね。

でもまぁ、そういう点が改善されたと信じたとして、過去3年の連結決算を見てみると、売上も利益も右肩上がりで上昇していて、一見するととても良い状態の企業に見えます。これならたしかに三菱自動車に投資してみようと思う投資家がいても不思議はありません。

ですが、かなり以前の話ですがライブドアとか東芝みたいに、決算書は嘘を書く事もできます。(これを粉飾決算と言います)燃費データも嘘を書く事ができます。だから今回みたいな事が起きました。

結局投資の根拠となる数値やデータなど、どれも信用できないものばかりという事なんですよ。

財務状況の良い会社に投資しましょう。とか言ったって、数値やデータを発行している側が嘘をつけば、当然その情報に基づいて株式投資をした場合には失敗するリスクは大きいわけです。

だから、よく巷で言われるような「良い企業の株を持っていれば、いつか株価は上がるはずだ」という理論では、その嘘が見破れない限りはまともな投資は出来ません。

それよりも皆が一斉にiphoneばっかり使うのを見てもわかるように、日本人は流行りモノに乗っかるのが好きなので、新しいサービスや流行るサービスなどを提供している会社に早い段階で投資して、儲かったらさっさと手を引く…という方法の方がよっぽど早くて安全に利益がでます。

ただ、私の投資理念として儲かればなんでも良いというつもりはなく、社会をよりよくしてくれる企業に投資をしたいと思っています。なので投資する企業はよく吟味しなければなりませんが、企業を運営する側の人間が全員社会をよりよくする企業でありたいと思っているとは限りません。

なので、ある程度は投資する企業について調べますが、普通の人はそこで納得してしまうので今回みたいになっちゃいますが、万が一に備えて何かあったときには「安全に逃げられる戦略」を持っているかどうかが投資家としての命運を分けます。

世の中の全員が正直者であってくれれば話は簡単なのですが、実際にはそうでは無いのでタイミングを重視する私のような投資スタイルの方が結局は安全なんですよね。